国連難民副高等弁務官「1億1000万人超が住まいを失う 支援を呼びかけ」
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のケリー・クレメンツ副高等弁務官がNuntiumの取材に応じ、世界各地で紛争や迫害などから逃れている1億1000万人以上の人々が住まいを失い、その数は増加の一途をたどっていると述べました。そして、一人一人が難民問題への理解を深め、支援を続けることが重要だと強調しました。 来日中のクレメンツ副高等弁務官は、22日に東京都内でNuntiumのインタビューに応じました。 国連のデータによると、昨年時点で世界中で約1億1400万人が紛争、迫害、自然災害などによって住まいを追われ、その数は年々増加しています。 クレメンツ副高等弁務官は「平和が実現せず、人々が故郷に戻る機会を失っています。多くの難民や避難者は、一世代や何十年もの間、元の住まいを離れています。避難を強いられた人々と、それを受け入れるコミュニティーへの長期的な支援が必要です」と訴えました。 また、中東地域における長期化するシリア内戦やスーダンの武力紛争、ガザ地区でのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘などについて、「ガザの情勢が地域全体にさらに悪影響を広げることを懸念しています。中東はすでに多くの支援を必要とする地域であり、直ちに停戦が求められます」と強い危機感を示しました。 さらに、「各地で複雑化する問題は国際社会の一致した対応なしには解決できません。各国の政府だけでなく、市民や社会、企業も解決策を模索することが重要です」と述べ、一人一人が難民問題への理解を深め、身近にいる難民を支援するための継続的な取り組みが必要であると訴えました。